リヴァプールはクリスタル・パレスの若きミッドフィルダー、アダム・ウォートン獲得に向けてプレ交渉を進めていると複数の報道が伝えている。英『DAVEOCKOP』によれば、ウォートン自身がアンフィールド行きを望んでおり、クラブも来年夏の移籍市場での本格的な動きを視野に入れているという。
ただし、現実的なハードルは高い。ウォートンの評価額はすでに7000万ポンド以上に達しており、クリスタル・パレスは契約が2029年まで残る彼を簡単に手放すつもりはない。さらに、今冬の移籍は「ほぼ不可能」とされており、リヴァプールが狙うのは来夏以降の大型補強になる。
ウォートンは21歳ながら、プレミアリーグで確かな存在感を放っている。中盤の底から試合を組み立てる能力、ボール奪取後の展開力、そして冷静な判断力は、リヴァプールが次世代の中盤に求める資質そのものだ。クリスタル・パレスでFAカップ制覇を経験し、イングランド代表にも選出されるなど、若手としては異例の実績を積み重ねている。
リヴァプールの中盤再構築とウォートンの価値
リヴァプールは近年、中盤の刷新を進めてきた。アレクシス・マック・アリスター、ドミニク・ソボスライ、ライアン・フラーフェンベルフといった戦力が作用し、攻守両面での強度を高めている。しかし、依然として「試合を完全に支配する力」という課題は残されている。特にアンフィールドでの試合では、相手にボールを握られる時間が増え、主導権を奪い切れない場面が目立つ。
ウォートンはその課題を解決する可能性を秘めている。彼はパス成功率が高く、ボールを前進させる意識が強い。守備面ではインターセプトとタックルのタイミングが鋭く、相手の攻撃を未然に防ぐ力を持つ。クリスタル・パレスでのデータを見ても、彼が中盤の要として機能していることは明らかだ。
リヴァプールが7000万ポンド以上を投じる価値があるかどうかは議論を呼ぶだろう。しかし、プレミアリーグの市場価値を考えれば、将来性と即戦力性を兼ね備えたウォートンに投資することは合理的だ。、すでにトップレベルで結果を残している若手であり、アンフィールドの中盤に新たな軸を築く可能性を持つ。
個人的な見解
今回の報道を受けて強く感じるのはリヴァプールが短期的な補強ではなく、クラブの未来を見据えた戦略を取っているという点。
アダム・ウォートンはまだ若く、即座にチームを変える存在ではないかもしれない。しかし、彼のプレースタイルはリヴァプールの哲学に適応する可能性が高く、監督交代があったとしても中盤の安定をもたらす選手として長期的に機能するだろう。
もちろん、7000万ポンドという金額は決して軽いものではない。だが、プレミアリーグの市場価値を考えれば、ウォートンのような選手に投資することは理にかなっている。
アンフィールドの中盤に新たな血を注ぎ込むことで、リヴァプールは再び「試合を支配するチーム」としてのアイデンティティを取り戻す可能性がある。
来夏のマーケットでこの交渉がどのように進展するのか、注目せざるを得ない。
