低迷する攻撃陣の再建を目指すマンチェスター・ユナイテッドが、イングランド期待の若手FWリアム・デラップ獲得に向けて「フェイス・トゥ・フェイスの直接交渉」に踏み切ったと、英『TEAMtalk』が独占報道した。ルベン・アモリム監督の下で攻撃的リビルドを進める名門は、£3000万ポンドと報じられるリリース条項の存在も踏まえ、争奪戦の先手を打った格好だ。
2024-25シーズンのプレミアリーグで、ユナイテッドは37試合を終えてわずか42ゴール。ラスムス・ホイルンドの潜在能力は認めつつも、真のエースとしての地位は確立されていない。加えて、ジョシュア・ザークツィーもパッとせず、最前線の明確な柱が不在なのが現状だ。
そこでクラブが目をつけたのが、イプスウィッチ・タウンで今季プレミアリーグを席巻した22歳のストライカー、リアム・デラップ。彼こそ、ユナイテッドが切望する「得点力と将来性」を兼ね備えた逸材である。
マンチェスター・シティから移籍し、プレミア初挑戦となった今季、36試合に出場し12ゴール2アシストを記録。期待ゴール(xG)9.3を上回るゴール数は、決定力の高さを如実に示す数字だ。
加えて、イングランドU21代表にも選出されている点は、代表クラスのポテンシャルを証明する材料となる。まさに“即戦力かつ将来の看板選手”として、ビッグクラブが放っておけない存在だ。
デラップ争奪戦の裏にあるウィルコックスとの絆
ユナイテッドにとって心強いのは、テクニカルディレクターを務めるジェイソン・ウィルコックス氏とデラップの間に築かれた“旧知の関係”だ。
ウィルコックスは2017〜2023年にマンチェスター・シティのアカデミーを指導しており、当時シティに在籍していたデラップに直接関わっていたとされる。この関係性は、選手の信頼を得るうえで極めて重要であり、ユナイテッドにとって交渉を有利に進める切り札となるだろう。
もちろん、争奪戦は熾烈を極める。チェルシーも同様にデラップに関心を寄せており、選手側も「全ての候補クラブと話し合いを行う」意向を示している。クラブ選びは慎重に進められており、オールド・トラッフォード行きが確定事項ではないことを肝に銘じておくべきだ。
ユナイテッドはデラップだけでなく、ウルブズ所属マテウス・クーニャの獲得にも本腰を入れている。6250万ポンドのリリース条項を満額支払う構えで、分割払いを含めた契約交渉も進行中と報じられている。
さらに、ブレントフォードのブライアン・ムベウモ、スポルティングCPのヴィクトル・ギョケレシュ、ナポリのヴィクター・オシムヘン、ボーンマスのアントワーヌ・セメニョといった複数の攻撃的オプションを水面下でリストアップしている模様だ。
関係者の間では、アモリム監督とウィルコックスTDの間でターゲット選定に関して意見の相違があるとの噂もあり、最終的な決断には注目が集まる。