セント・ジェームズ・パークの未来を左右するかもしれない名前が、今ヨーロッパの移籍市場を騒がせている。AZアルクマールの19歳ミッドフィールダー、キース・スミット。
彼のプレーは既にオランダ国内を超え、プレミアリーグやラ・リーガの巨人たちをも魅了している。ニューカッスル・ユナイテッドはこの才能を手中に収めるべく動き出し、2025/26シーズンの冬の移籍市場は熱を帯びている。
ニューカッスルが描く中盤補強
イギリス紙『The Daily Mail』の報道によれば、ニューカッスルはキース・スミット獲得に向けて本格的な交渉を進めている。AZアルクマールが要求する移籍金は約2200万ポンドとされ、クラブ史上最高額に迫る可能性がある。
エディ・ハウ監督率いるチームは、プレミアリーグでの安定した戦績を維持するために、攻守両面で試合をコントロールできる中盤の新戦力を必要としている。
今季ニューカッスルは、チャンピオンズリーグ出場権を狙う中で中盤の層の薄さが課題となっている。ブルーノ・ギマランイスやジョエリントンといった主力が負傷や過密日程で離脱する場面が増え、試合終盤での運動量や創造性が不足する試合が目立った。スミットの加入は、この問題を一気に解決する可能性を秘めている。
さらに、ニューカッスルのオーナーであるPIFは、クラブのブランド力を世界的に高めるために次世代スターの獲得を強く望んでいる。スミットは中心選手となり得る選手であり、クラブの未来を示すメッセージとなる。
キース・スミットのプレースタイルと欧州での評価
スミットは今季AZアルクマールで19試合に出場し、2ゴール4アシストを記録。数字以上に際立つのは、試合のテンポを自在に操る能力だ。中盤でボールを受けると、瞬時に前線へ鋭い縦パスを通し、攻撃のスイッチを入れる。彼のプレーは「新たなペドリ」と評されることもあり、スペインやドイツのスカウトからも高い評価を受けている。
守備面でも献身的で、ボール奪取後の切り替えが速い。プレミアリーグの激しいフィジカルに適応できるかは未知数だが、彼の冷静な判断力と技術は大きな武器になるだろう。特にニューカッスルのように攻守の切り替えが激しいチームにおいて、スミットの存在は中盤の安定感を飛躍的に高める。
また、彼のプレーは単調ではない。時にはドリブルで相手を引き付け、時にはワンタッチで展開を変える。観客を魅了する華やかさと、試合を支配する冷静さを併せ持つ稀有な存在だ。
ニューカッスルがスミット獲得に動いている一方で、リヴァプールも強い関心を示している。アルネ・スロット監督はAZ時代からスミットを高く評価しており、アンフィールドに迎え入れる構想を持っているとされる。さらに、バルセロナやレアル・マドリード、バイエルン・ミュンヘンもスカウトを派遣している。
この争奪戦は、クラブの未来を賭けた戦いになるかもしれない。ニューカッスルが勝ち取れば、クラブの野心を世界に示す強烈なメッセージとなる。一方で、リヴァプールやバルセロナが獲得すれば、彼らの中盤再建計画において中心的役割を担うことになるだろう。
個人的な見解
キース・スミットの移籍は、ニューカッスルにとってクラブの方向性を決定づける分岐点になると考えている。彼の加入は中盤の創造性を飛躍的に高め、プレミアリーグでの競争力を押し上げるだろう。
特に、ギマランイスとのコンビネーションは想像するだけで胸が高鳴る。攻守のバランスを保ちながら試合を支配する姿は、セント・ジェームズ・パークの観客を熱狂させるに違いない。
ただし、競合クラブの存在は現実的な脅威だ。リヴァプールは監督の信頼関係を武器にし、バルセロナやレアル・マドリードはブランド力と資金力で勝負を仕掛けてくる。
ニューカッスルがこの争奪戦を制するには、資金面だけでなく、プロジェクトの明確さと選手育成のビジョンを提示する必要がある。
それでも、もしニューカッスルがスミットを獲得できれば、試合を決定づけるゲームチェンジャーを手札に加えることになる。プレミアの舞台で彼が躍動する姿を想像すると、移籍市場の熱気がさらに高まるのを感じずにはいられない。
