プレミアリーグでかつてないほど苦戦を強いられているマンチェスター・ユナイテッドは、来シーズンに向けて国内リーグ浮上するためにも、2025年夏の移籍市場に向けて本格始動している。ルベン・アモリム監督の下でチーム再建に動く赤い悪魔が、新たなアタッカーとしてブレントフォードのカメルーン代表FWブライアン・ムベウモに熱視線を送っている。
西『Fichajes』の報道によれば、ユナイテッドはすでにブレントフォードに対して約6500万ユーロに近い金額で正式オファーを提示。これは移籍市場が正式に開く前の段階で行われたもので、クラブの本気度を示す動きとして注目されている。
プレミアリーグで低迷するユナイテッドは、今季すでに18敗を喫し、16位という屈辱的な順位に沈んでいる。新たに指揮を執るルベン・アモリム監督の下、攻撃陣の強化が急務とされており、ムベウモはその優先補強リストの上位に位置づけられているようだ。
ブライアン・ムベウモは現在25歳。2019年にリーグ・ドゥのトロワからブレントフォードに加入して以降、着実にプレミアリーグに適応し、今では同クラブの絶対的主力にまで成長した。
今季は公式戦41試合に出場し、19ゴール9アシストと圧巻のパフォーマンスを披露。右ウイングを主戦場としながら、必要に応じてストライカーとしてもプレー可能なポリバレント性を持ち、ユナイテッドが求める「得点力と柔軟性」を兼ね備えた存在だ。
特にアントニーやサンチョといった既存戦力の去就が不透明な右サイドにおいて、ムベウモの獲得は新システムの中核を担う一手となりうる。クラブ内部でも「プロジェクトに最も適したアタッカーのひとり」として高く評価されているという。
ブレントフォードは強気な姿勢も…契約延長オプションが鍵に?
ブレントフォードのトーマス・フランク監督は、ムベウモを「可能な限りチームに残したい」と語っているものの、「我々は売却も辞さないクラブ」と認めており、去就はあくまでオファー次第であることを示唆している。
ムベウモの現行契約は今夏で残り1年となるが、クラブ側は1年間の延長オプションを保持しており、これが交渉の大きな鍵となりそうだ。移籍金を高騰させる狙いも透けて見えるが、複数クラブによる争奪戦が予想される中で、今夏が売り時と判断する可能性もある。
ムベウモに関心を寄せているのはユナイテッドだけではない。リバプール、アーセナル、ニューカッスルといったプレミアの強豪勢も、ブレントフォードのエースに目をつけていると報じられている。
移籍市場の“信頼の男”ファブリツィオ・ロマーノ氏も、「ブライアン・ムベウモを巡っては多くのクラブが参戦するオープンな争奪戦になる」と指摘している。
ユナイテッドは前線強化に向け、ムベウモ以外のターゲットにも動きを見せている。ウルヴス所属のマテウス・クーニャに対しては、契約解除金6500万ポンドを視野に獲得を検討しており、ブラジル代表MFが大本命と見られている。
また、ル・アーヴルからは若手MFエンツォ・カナ=ビイクの獲得が有力視されており、イプスウィッチのリアム・デラップ(3000万ポンド)については、チェルシーとの争奪戦が勃発しているとの情報も。ムベウモ獲得の動きはこれらの交渉とは別で進められており、ユナイテッドが「多角的な補強戦略」を取っていることを示している。
一部報道では、ムベウモ本人が「オールド・トラッフォード行きに前向き」との声もあり、これが獲得レースでのユナイテッド優位に働く可能性もある。果たして、ユナイテッドはこの巨額オファーでブレントフォードを説得し、激化する争奪戦を制してムベウモを手中に収めることができるのか。