1億ユーロの攻防戦!トッテナムが赤い悪魔の隙を突き、ブライトンの至宝カルロス・バレバ強奪へ?

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マンチェスター・ユナイテッドが描く中盤革命!来夏にもブライトンMFカルロス・バレバ獲得に動く Brighton & Hove Albion

プレミアリーグの移籍市場は、ピッチ上の戦い以上に冷徹で、かつ獰猛なエネルギーが渦巻く戦場だ。その中心に今、ひとりの若きカメルーン人、21歳MFカルロス・バレバが立たされている。ブライトンが誇る中盤のダイナモだ。

かねてよりマンチェスター・ユナイテッドが熱烈な関心を寄せていたこの逸材に対し、北ロンドンの雄トッテナムが強烈な横槍を入れる準備を進めている。トーマス・フランク監督率いるスパーズは、赤い悪魔が交渉の停滞に足踏みする一瞬の隙を見逃さない。水面下で繰り広げられるこの駆け引きは、冬の移籍市場、あるいは来夏の勢力図を劇的に変える可能性を秘めている。

1億ユーロの壁と「不調」という名のチャンス

海外メディア『CaughtOffside』によれば、トッテナムは現在バレバ獲得に向けて具体的な動き出しを画策している。興味深いのは、彼らが動き出したタイミング。バレバは今夏にマンチェスター・ユナイテッドからの接触を受けて以降、パフォーマンスレベルをわずかに落としている時期である点は興味深い。

移籍市場の噂が若き選手のメンタルを揺さぶることは珍しくないが、スパーズのスカウト陣はこの一時的なスランプを、獲得への障壁を下げる好機と捉えているフシがある。ライバルが躊躇する瞬間こそが、最大の攻撃機会になるというわけだ。

しかし、いかにスパーズが好機と捉えようとも、立ちはだかる壁はあまりにも高く、分厚い。ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンというクラブは、プレミアリーグで最も交渉巧者な売り手だ。

彼らはバレバをチームの将来を担う絶対的な資産と位置付けており、その評価額を1億ユーロに設定している。モイセス・カイセドらを高値で売却し、巨万の富を築いてきたトニー・ブルーム会長に、値下げという妥協案は存在しない。

選手が多少調子を落とそうとも、そのポテンシャルに対する評価は微動だにせず、強気の姿勢を崩すことはないだろう。非売品という意思の裏返しであり、獲得を望むクラブに対する挑戦状でもある。

一方のマンチェスター・ユナイテッドにとっても、バレバは依然としてトップターゲットの一人だ。しかし、彼らの動きには迷いが見え隠れする。オールド・トラッフォードの首脳陣は、ノッティンガム・フォレストのエリオット・アンダーソンやウォルバーハンプトンのジョアン・ゴメスといった他の実力者もリストアップし、リスク分散を図っている最中。

この「迷い」が、決断力のあるスパーズにつけ入る隙を与えている。マンチェスター・ユナイテッドが複数の選択肢を天秤にかけている間に、トッテナムが一気呵成に交渉をまとめ上げるシナリオは、過去の移籍市場でも幾度となく目にしてきた光景。

スパーズに適合する「数字に表れない」支配力

今シーズン、2025/26シーズンのカルロス・バレバは、ここまで公式戦15試合に出場し、チームの中軸としてプレーしている。だが、スタッツシートに目を落とすと、ゴール数は0、アシスト数も0だ。

表面的な数字だけを切り取れば、1億ユーロの価値に疑問符をつける者もいるかもしれない。しかし、彼の真価は目に見えるスコアポイントの彼方にある。中盤の底で見せる圧倒的なボール奪取能力、相手のプレスを無効化する強靭なフィジカル、そして密集地帯を単独で突破する推進力こそが彼の最大の武器だ。

ジョアン・パリーニャやパペ・マタル・サール、ロドリゴ・ベンタンクールといった既存の戦力も強力だが、CL権争いや国内カップ戦を勝ち抜くためには、中盤の層をさらに厚くし、競争原理を働かせる必要がある。

バレバのプレースタイルは、まさにフランクが好むミッドフィルダーの理想形だ。特に、ボールを奪った瞬間に前線へ駆け上がるダイナミズムは、スパーズの高速カウンターに新たなエンジンを搭載することと同義である。

本気でタイトルを渇望するのであれば、この規格外の才能に賭ける価値はある。北ロンドンの白い巨人が、赤い悪魔を出し抜いてカメルーンの怪物を手中に収めることができるのか。我々は今、その壮大なドラマの序章を目撃している。

個人的な見解

正直なところ、トッテナムがこの争奪戦を制するには、相当な狂気が必要になるだろう。ブライトンというクラブは、交渉において一切の情けをかけない。カイセドのチェルシー移籍劇を思い出してほしい。彼らは自分たちの設定した評価額が満たされない限り、交渉の席を立つことさえ躊躇しない冷徹さを持っている。

トッテナムがもし本気でバレバを欲するのであれば、マンチェスター・ユナイテッドのような優柔不断な態度は命取りになる。値切りに時間を費やせば、その間に他クラブが介入し、勝機は霧散する。

1億ユーロという金額は確かに狂っているが、現代サッカーにおいてトップレベルのミッドフィルダーを買うコストと考えれば、必要な出費という見方もできる。

また、バレバ個人のキャリアを考えた時、トッテナムという環境は非常に魅力的だ。彼のような推進力のあるMFにとって最高のショーケースとなる。

マンチェスター・ユナイテッドは再建の途上にあり、プレッシャーの種類が異質。スパーズの中盤で既存戦力らと切磋琢磨し、プレミアリーグ最高峰の強度を体現する未来は、バレバにとっても悪くない。

スパーズのフロント陣が、この賭けに乗る勇気があるのか。あるいは、堅実な補強に舵を切るのか。

その決断は、今シーズンの最終順位だけでなく、向こう数年のクラブの立ち位置を決定づけるものになるはずだ。