ミラノからのラブコール、グリエルモ・ヴィカーリオはトッテナムを去るのか!?

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ヴィカーリオ トッテナム、守護神問題が再燃!?トーマス・フランク監督が描くゴール前の再構築 Tottenham Hotspur

イタリア・ミラノから届いたニュースは、北ロンドンの空気を一瞬にして凍り付かせるに十分なものだった。トッテナム・ホットスパーのゴールマウスに君臨し、サポーターから絶大な信頼を寄せられるグリエルモ・ヴィカーリオに対し、セリエAの巨人インテルが並々ならぬ関心を寄せているというのだ。

イタリアメディア『CalcioMercato』が報じたところによると、インテルは現正GKであるヤン・ゾマーの後継者として、ヴィカーリオを最優先リストの筆頭に掲げているという。夏の移籍市場が開くまでにはまだ時間があるが、水面下での駆け引きはすでに始まっていると見るべきだ。

ヤン・ゾマー退団の既定路線とインテルが求める究極の理想像

インテルのゴールを守り続けてきたベテラン、ヤン・ゾマーの契約は6月に満了を迎える。同メディアによれば、クラブでのラストシーズンを過ごしている可能性は極めて高く、インテル首脳陣はすでに「ゾマー後」の世界を見据えた動きを加速させている。

そこで白羽の矢が立ったのが、かつてエンポリで奇跡的なセーブを連発し、プレミアリーグの猛者たちをも黙らせてきたイタリア人GKグリエルモ・ヴィカーリオ。インテルにとって、イタリア代表クラスの選手を自国リーグのトップクラブに呼び戻すことで、クラブのブランド力を誇示することにも繋がる。

ヴィカーリオのプレースタイルを分析すれば、なぜ彼がこれほどまでに求められているかが手に取るようにわかる。驚異的な反射神経は言うまでもなく、至近距離からのシュートに対する反応速度は世界でも指折りのレベルにある。

加えて、現代サッカーのGKに不可欠なビルドアップ能力と、ディフェンスラインの背後をカバーする広大な守備範囲は、インテルが志向する戦術に完璧にフィットする。特にトッテナム移籍以降、プレミアリーグ特有の激しいフィジカルコンタクトやハイプレスに晒されながらも、彼は冷静沈着な判断力を磨き上げてきた。

エンポリ時代に見せた「受ける」守備だけでなく、自ら能動的にスペースを管理し、攻撃の起点となるプレーは、ゾマーが築き上げた安定感を継承しつつ、さらにチームを一段階上のレベルへと引き上げる可能性を秘めている。

年齢的にも脂が乗り切った時期にあり、長期的な政権を託せる人材として、これ以上の適任者はいないという判断なのだろう。

トッテナム・ホットスパーの抵抗という巨大な障壁

しかし、この移籍話には巨大な障壁が存在する。トッテナム・ホットスパーというクラブ、そして何より交渉術に長けたスパーズ陣営の存在だ。ヴィカーリオはトッテナム加入以来、瞬く間にチームの顔となり、サポーターからは「Venom」の愛称で親しまれる絶対的な存在となった。

彼が見せる情熱的なガッツポーズや、味方を鼓舞する姿は、スタジアムの温度を数度は上げる力がある。技術的な貢献だけでなく、メンタリティの面でもチームに不可欠なリーダーの一人となっている。彼を手放すことは守備の崩壊だけでなく、チームの魂の一部を失うに等しい。

プレミアリーグでの実績を積み重ねた現在のヴィカーリオの市場価値は、エンポリから獲得した当時とは比較にならないほど高騰している。インテルがいかに熱烈なオファーを送ろうとも、トッテナムが安売りする理由はどこにもない。契約期間も残されており、クラブの財政基盤も安定しているトッテナムに対し、インテルが提示できる条件には限りがあるのが現実。

それでもなお、この噂が消えないのは、選手自身の心情という不確定要素があるからかもしれない。母国イタリアの名門からの誘い、チャンピオンズリーグでの躍進を狙える環境、そして慣れ親しんだカルチョへの帰還。これらがヴィカーリオの心にどのような波紋を広げるのかは、本人にしかわからない領域だ。

トッテナムの守備陣において、ヴィカーリオは最後尾の砦であると同時に、攻撃の第一歩目でもある。彼がボールを持った瞬間に展開されるパスワークは、チームの戦術において重要なスイッチの役割を果たしている。

イタリア代表GKを引き抜こうとするインテルの試みは、交渉の難航を覚悟の上で、それでも獲得を目指すというインテルの並々ならぬ決意が透けて見える。これからの数ヶ月、我々はピッチ上のプレーだけでなく、水面下で繰り広げられる激しい攻防からも目が離せないことになるだろう。

個人的な見解

この移籍話が実現するハードルは極めて高いと言わざるを得ない。最大の理由はやはり金銭面とトッテナム側の姿勢だ。プレミアリーグで評価を確立したヴィカーリオに対し、トッテナム側は天文学的な移籍金を要求するはず。

財政的な制約があるインテルが、GK一人に対してそこまでの巨額を投じることができるのか、あるいはトッテナムを納得させるだけの魅力的な交換条件を提示できるのか、現状では懐疑的にならざるを得ない。トッテナムにとってヴィカーリオは代えの利かない存在であり、彼を失うリスクは計り知れない。

一方で、選手心理という側面からは一抹の可能性も否定できない。イタリア人選手にとって、セリエAのビッグクラブ、特にインテルのような歴史あるチームでプレーすることは特別な意味を持つ。

もしヴィカーリオ本人が「イタリアへの帰還」を強く望み、トランスファーリクエストのような強硬手段に出た場合、状況は一変するだろう。

しかし、現在の彼がトッテナムで見せる充実した表情や、サポーターとの強固な絆を見る限り、彼が自ら退団を望むとは考えにくい。インテルの野望は理解できるが、現時点では「高嶺の花」への憧れに終わる可能性が高いというのが、私の率直な見立て。

だが、サッカー界では常識では測れないドラマが起こることもまた事実であり、我々はその行方を慎重に見守る必要がある。