コナテ退団の危機と5000万ポンドの賭け!守備崩壊のリヴァプールが狙う左利きDFシュロッターベック

スポンサーリンク
リバプール、シュロッターベック獲得レース本格参戦!ドルトムントとの駆け引き激化 Liverpool

アンフィールドに漂う空気は、昨シーズンの歓喜とは裏腹に、どこか重苦しいものが混じっている。2024/25シーズン、圧倒的な強さでプレミアリーグの頂点に立ったあの輝かしい記憶も、今シーズンのあまりにも脆い守備を前にすれば、過去の遺物のように霞んで見えてしまうのがファン心理というものだ。

だが、そんな閉塞感を打破し得る、強烈なニュースが飛び込んできた。レッズが、ブンデスリーガ屈指のセンターバック、ニコ・シュロッターベックの獲得に向けて、ついに具体的なアクションを起こしたと英『TEAMtalk』が報じた。

崩壊する守備陣への特効薬、ドルトムントの「左利きの塔」を確保せよ

報道によると、リヴァプールはボルシア・ドルトムントに所属する26歳のドイツ代表DFニコ・シュロッターベックの代理人と接触を開始した。この動きは迅速であり、かつ本気。シュロッターベックとドルトムントの契約は2027年6月まで残されている。つまり、契約満了まで残り18ヶ月という、移籍市場においては最も駆け引きが激化するタイミングに差し掛かっている。

通常、この時期はクラブ側が「高値での売却か、契約延長か」の決断を迫られるデッドラインだ。評価額は5000万ポンドに設定されているようだが、リヴァプール首脳陣は契約残存期間を交渉材料に、より適正な価格での引き抜きを画策している。

今シーズンのリヴァプール守備陣が抱える問題は、目を覆いたくなるほど深刻。昨シーズン、鉄壁を誇りタイトル奪還の原動力となったディフェンスラインは見る影もなく、あまりにも簡単にゴールを許すシーンが散見される。

連覇、そして主要タイトルの獲得を目指す野心的なプロジェクトにおいて、現在の守備強度が致命的なアキレス腱であることは誰の目にも明らか。ファン・ダイクが統率してなお生じる隙間を埋めるには、既存の戦力の底上げだけでは不十分。

ここにシュロッターベックのような、対人戦に滅法強く、ビルドアップ能力にも長けた即戦力が加われば、チームが抱える構造的な欠陥を一気に解決する。特に彼が「左利き」である事実は極めて重要だ。現在のリヴァプールのセンターバック陣において、左足で自然な角度からビルドアップのパスを供給できる選手は不足している。

左サイドから対角線に放たれる彼のロングフィードは、攻撃のスイッチを入れる新たな武器となり、停滞気味なビルドアップに劇的な変化をもたらす。守るだけでなく、攻めの起点となれる現代型センターバックの獲得は、アルネ・スロット監督の戦術においても理にかなった選択と言える。

イブラヒマ・コナテの去就と激化する争奪戦の行方

この補強話がこれほどまでに熱を帯びる背景には、もう一つの切実かつ緊急性を要する事情がある。長年最終ラインを支えてきたイブラヒマ・コナテの去就問題。このフランス代表DFとリヴァプールの契約は今シーズン終了時、つまり2026年6月で満了を迎える。

驚くべきことに、未だ契約延長の合意には至っていない。あと数週間で年が明ければ、彼は海外クラブと自由に移籍交渉が可能になる。かつてレアル・マドリードへの移籍が噂され、一度は立ち消えになったものの、この夏にフリーでアンフィールドを去るシナリオは、もはや悪夢ではなく現実的な未来として迫っている。

世界屈指のフィジカルモンスターであるコナテを、移籍金ゼロで失う損失は計り知れない。だが、クラブは感傷に浸っている暇などない。もしコナテを失うことになれば、その後釜確保は急務であり、その質は絶対に妥協できない。

その点において、シュロッターベックは理想的、いや、これ以上ない後継者。プレミアリーグへの挑戦は彼自身にとっても刺激的なステップアップであり、昨シーズンの王者であるリヴァプールの一員となることは、キャリアの絶頂期を迎える選手にとって魅力的なオファーに違いない。

ブンデスリーガで磨かれた屈強なフィジカルと、プレッシャーを苦にしないメンタリティは、激しいプレミアの環境にも即座に適応できるはず。

もちろん、これほどのタレントを他のビッグクラブが指をくわえて見ているはずがない。守備陣の強化を必要としているのは、白い巨人レアル・マドリードやバルセロナも同様。スペインの2強もシュロッターベックをリストアップしており、ここ数週間で複数のセンターバックとのリンクが噂されている。

特にレアル・マドリードは、コナテとシュロッターベックの両方を天秤にかけているという情報もある。リヴァプールにとって、これは単なる選手獲得競争ではなく、欧州におけるクラブの威信をかけた戦いでもある。この激しい争奪戦を制し、ドイツの才能をマージーサイドに連れてくることができるのか。フロントの手腕が厳しく問われる局面が、すぐそこまで来ている。

個人的な見解

「何を犠牲にしてでも獲れ」。現在のリヴァプールに欠けているのは、ピッチ上のリーダーシップと、左サイドからゲームを支配できる戦術的な柔軟性だ。

ファン・ダイクも34歳を迎え、彼の相棒、あるいは長期的にはその後継者として、左足でゲームを作れるセンターバックの存在は不可欠だ。コナテの退団が避けられないのであれば、同等かそれ以上のポテンシャルを持つ選手を確保するのはクラブの義務である。

5000万ポンドという金額は決して安くはないが、近年の移籍市場の高騰ぶりと彼の年齢、実績を天秤にかければ、バーゲン価格と言っても過言ではない。

何より、今シーズンの不安定な守備を見せられ続けているKOPとしては、冬の市場、あるいは来夏に向けて「本気で守備を再構築する」という強固な意志をクラブに見せてほしいのだ。昨シーズンの栄光を一過性の夢に終わらせないためにも、リヴァプールはこの夏に続き財布の紐を緩め、ワールドクラスの才能を迎え入れるべきである。

シュロッターベックが赤いユニフォームを纏い、アンフィールドのピッチで相手アタッカーをねじ伏せる姿。それだけで、我々の週末は再び熱狂に包まれるはずだ。今のリヴァプールに欠けているパズルのラストピースになるかもしれない。