功労者ファビアン・シェアとの決別?ニューカッスルが、トゥールーズの怪物19歳DFダヤン・メタリーに関心か

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功労者ファビアン・シェアとの決別?ニューカッスルが、トゥールーズの怪物19歳DFダヤン・メタリーに関心か Newcastle United

タインサイドの空は重く垂れ込め、冬の移籍市場の到来を告げている。セント・ジェームズ・パークのピッチには、これまで幾度となくチームを救ってきたスイス人センターバック、ファビアン・シェアの姿が減った。

エディ・ハウ監督が進めるチーム改革は、もはや聖域を設けない。長年にわたり最終ラインの統率者として君臨したベテランに対し、クラブは冷徹なまでの現実的な評価を下し、次なるフェーズへと舵を切ろうとしている。

ニューカッスル・ユナイテッドが現在進行形で進めているプロジェクトは、チームの背骨を若く、強靭なものへと作り変えるドラスティックな外科手術だ。その中心にいるのが、今夏の加入以来、圧倒的な対人能力でポジションを奪取したマリック・ティアウであり、そして今、獲得リストの最上位に名を連ねるトゥールーズの19歳、ダヤン・メタリーだ。

功労者の黄昏と冷徹な世代交代論

ファビアン・シェアが2018年にデポルティーボ・ラ・コルーニャからやってきて以来、積み重ねた公式戦出場数は244試合に達する。降格圏を彷徨った暗黒時代から、チャンピオンズリーグのアンセムが鳴り響く夜まで、彼は常に最終ラインの防波堤であり、攻撃の始点だった。その右足から放たれるレーザーのようなロングフィードは、マグパイズの最大の武器の一つだったことは疑いようがない。

しかし、2025-26シーズンも折り返し地点を迎えた今、序列は覆った。ACミランからやってきたマリック・ティアウの台頭は、シェアからスタメンの座を奪っただけでなく、チームが求めるセンターバック像の変化をも浮き彫りにした。

エディ・ハウが求めるのは、ハイラインを維持し続けられる走力と、広大なスペースを独力でカバーできるフィジカルだ。33歳となり、度重なる負傷に悩まされるシェアにとって、この要求水準は残酷なまでに高い。

クラブ首脳陣はシェアとの契約延長交渉を保留し、来夏の契約満了、あるいはこの冬の放出さえも視野に入れているという。これまでチームを支えた功労者に対する扱いとしては冷淡に映るかもしれない。

だが、プレミアリーグのトップ4を恒常的に争うクラブになるためには、感傷に浸る時間は1秒もないのだ。平均年齢を下げ、インテンシティを極限まで高める。その方針において、シェアの退団は避けられない既定路線となりつつある。

「ニュー・グヴァルディオール」か?ダヤン・メタリーが秘める戦術的価値

シェアに代わる新たなピースとして、ニューカッスルが白羽の矢を立てたのが、リーグ・アンでセンセーショナルな輝きを放つダヤン・メタリー。英『Daily Mail』が報じたところによると、スカウト陣はこのフランスU-21代表DFの動向を徹底的にマークしており、1月の獲得に向けて内部協議が加速している。

メタリーの最大の魅力は、現代フットボールの守備者に求められる「万能性」を極めて高いレベルで備えている点にある。身長186cmの恵まれたフレームを持ちながら、本職の左サイドバックだけでなく、センターバックとしても機能する。今季のトゥールーズで記録したリーグ・アン15試合出場という数字は、19歳という年齢を考えれば驚異的。

ジョゼップ・グアルディオラがマンチェスター・シティでヨシュコ・グヴァルディオールやナタン・アケを重用するように、サイドバックの攻撃性能とセンターバックの守備強度を兼ね備えたハイブリッドDFは、現代戦術の要。エディ・ハウもまた、メタリーを将来の守備陣の「キーコンポーネント」と定義している。

特に注目すべきは、彼のアスリート能力。シェアが読みと技術で勝負するタイプだとすれば、メタリーは圧倒的なスピードとパワーで相手をねじ伏せる。プレミアリーグの高速化するトランジションに対応するには、この身体能力が不可欠。

2030年まで残る契約により、獲得には多額の移籍金が必要となるが、ニューカッスルは「未来への投資」として財布の紐を緩める準備ができている。

左利きのセンターバック、あるいは守備的な左サイドバックとして、メタリーが加入すれば、守備のオプションは劇的に広がる。ダン・バーンやルイス・ホールとも異なる、よりダイナミックで強靭な守備ブロックの構築が迫っている。

個人的な見解

あえて厳しいことを言わせてもらえば、ファビアン・シェアへの依存からの脱却は、ニューカッスルが強豪として定着するために通過しなければならない最も痛みを伴う関門。

私自身、シェアの優雅な持ち上がりや、一撃で局面を変えるパスに何度も酔いしれてきた。彼の退団は、一つの時代の終焉を決定づけるだろう。

だが、マリック・ティアウの獲得と成功が証明したように、エディ・ハウのスカウティング部門は「必要なスペック」を正確に把握している。

ダヤン・メタリーというターゲット選定は、極めて論理的。高騰する移籍金市場において、すでにリーグ・アンで実績を残す19歳を確保することは、数年後の市場価値を考えれば安上がりな投資になり得る。

33歳のベテランに敬意を払いつつも、ピッチ上のパフォーマンスを最優先する。このドライな決断ができるようになったことこそ、ニューカッスルのフロントが成熟した証拠と言える。サポーターとしては寂しさを禁じ得ないが、ダヤン・メタリーという原石がセント・ジェームズ・パークで磨かれ、新たなディフェンスリーダーへと成長する未来には、それ以上の興奮を覚える。変革を恐れてはならない。