2025年夏の移籍市場が本格化するなか、プレミアリーグのチェルシーがフランス代表ストライカー、ランダル・コロ・ムアニの獲得に向けて具体的な動きを見せ始めた。仏『L’Équipe』の報道によれば、チェルシーは現在、保有元であるパリ・サンジェルマンと接触を開始し、完全移籍での交渉を進めているという。
指揮を執るエンツォ・マレスカ監督のもと、今夏のチェルシーは前線の強化を最優先課題と位置づけており、すでにイプスウィッチから若手FWリアム・デラップを約3000万ポンドで獲得済み。しかし、ニコラス・ジャクソンに対するユヴェントスの関心が報じられるなど、フォワード陣の再編が進む中で、コロ・ムアニはその穴を埋めるキーマンとして浮上している。
昨シーズン、セリエAでのローン期間中に16試合8得点を記録した26歳のフランス代表は、現在ユヴェントスでの再ローン契約の可能性も取り沙汰されているが、チェルシーは他クラブに先んじて、完全移籍での獲得を打診する構えだ。
財政力で優位に立つチェルシー!エキティケやペドロも候補に
争奪戦のライバルには、ローン元であるユヴェントス、そしてプレミアリーグの強豪マンチェスター・ユナイテッドが名を連ねている。だが『L’Équipe』の分析では、財政的な余力と獲得形態の柔軟性を持つチェルシーが、交渉において有利な立場にあるとされている。
ユヴェントスはローン延長および買取オプション付きの契約を希望している一方で、PSGとしては早期の現金収入を見込める完全移籍を優先したい考えがある。つまり、頭金を提示できるクラブが交渉のテーブルをリードする構図となり、チェルシーはその要件を満たす数少ないクラブのひとつだ。
また、チェルシーは候補を1人に絞っているわけではない。昨季アイントラハト・フランクフルトでプレーしたウーゴ・エキティケのほか、ブライトンのジョアン・ペドロ、さらにはウェストハムのモハメド・クドゥスといった選手にも関心を示している模様。
エキティケについては移籍金1億ユーロがネックとされるが、イングランド国内ではそれよりも低い条件での獲得が可能だとの見方もある。
一方のコロ・ムアニ本人はユヴェントスでの生活に満足しており、イタリア残留を希望しているとも報じられている。しかし、その意志とは裏腹に、2025-26シーズンのPSGでは構想外と見なされている可能性が高く、去就の行方は依然として不透明だ。
FIFAクラブワールドカップ初戦では2得点を挙げるなど、持ち前の得点力は健在。チェルシーが彼のような即戦力を獲得できれば、新シーズンの上位争いに向けた強力な布石となるだろう。