トーマス・パーテイの退団が濃厚となり、中盤の再編が急務となったアーセナルが、フランスの新星ウォーレン・ザイール・エメリの獲得に向けて本格的に動き始めた。英『TBR Football』によれば、クラブはすでにパリ・サンジェルマン(PSG)に正式なコンタクトを取ったとされ、交渉のスタートラインに立った格好だ。
アーセナルはこの夏、大規模な中盤の再編に迫られている。ジョルジーニョが契約満了で退団したのに続き、トーマス・パーテイの去就も決着。『ESPN』によれば、交渉はすでに決裂しており、週給20万ポンドという現行水準の延長オファーに対し、パーテイ側が大幅な増額を要求。クラブがこれを拒否したことで、6月30日の退団が既定路線となった。
これにより、アルテタ率いるチームは戦力ダウンを避けるため、積極的な補強に動いている。レアル・ソシエダ所属のマルティン・スビメンディに関しては、5100万ポンドの契約解除条項を行使しての獲得に成功。だが、それだけでは中盤の厚みは足りず、さらなる即戦力の導入が求められている。
注目されるのが、フランス代表にも名を連ねる19歳のウォーレン・ザイール・エメリだ。PSGの下部組織出身で、すでにトップチームでの経験を重ねている逸材。今季は出場機会が限られる場面もあったが、それでも公式戦49試合に出場し、チームの三冠(トレブル)に貢献した実績は揺るがない。
ザイール・エメリのPSGでのポジションは、ヴィティーニャ、ジョアン・ネヴェス、ファビアン・ルイスといった中盤の主力が台頭したことで、昨季後半にかけてやや後退。チャンピオンズリーグ決勝インテル戦ではわずか数分の出場に留まった。
だがクラブとしては放出を否定しており、選手本人もパルク・デ・プランスに残留する意思を持っていると伝えられている。アーセナルは彼の動向に注目しており、バルセロナやバイエルン・ミュンヘンも獲得レースに参戦。チェルシーやリバプールもかねてから関心を示しており、今後の争奪戦は熾烈を極める見通しだ。
次なる一手へ…アーセナルの決断は迫る
獲得への道のりは決して平坦ではない。PSGが売却に難色を示す中、選手自身の意思、移籍金、そして競合クラブの存在が複雑に絡む。アーセナルはザイール・エメリだけでなく、セビージャのルシアン・アグメやリールのアイユーブ・ブアディにも関心を寄せており、複数プランを並行して進めている。
クラブは次世代に向けて新たな柱を探さなければならない。ウォーレン・ザイール・エメリのような若き司令塔を迎え入れることができれば、中長期的なプロジェクトにおける大きな布石となるのは間違いないだろう。