近年はプレミアリーグのタイトル争いの常連であるアーセナルだが、あと一歩のところで歓喜には届かず。ミケル・アルテタ率いる若きチームは、さらなる飛躍を遂げるため、この夏の移籍市場で中盤の刷新に着手している。創造性と守備強度の両立を目指す中で、具体的なターゲットとされる選手たちの名前が浮上してきた。
昨夏の移籍市場において、ベルギーのヘンクからレスター・シティへ移籍したばかりの21歳、ビラル・エル・カンヌスに対し、アーセナルが本格的なアプローチを開始している。
『Africa Foot』が報じたところによれば、ロンドンのクラブはすでに選手側と個人合意に達しており、あとはレスターとの移籍金の交渉を残すのみとされているようだ。
攻撃的MFとして高い技術と視野を併せ持つエル・カンヌスは、レスター・シティが降格の憂き目にあう中で、数少ない希望の光となった選手のひとり。アフリカネイションズカップへの出場機会を見据え、プレミアリーグ残留を強く望んでいるという。
2022年カタール・ワールドカップでモロッコ代表として準決勝進出を果たした経歴も持ち、国際舞台での経験も申し分ない。『Transfermarkt』によると、その市場価値は2800万ユーロにまで上昇しており、アーセナルは昨季不足した創造性を補う存在として彼を高く評価している。
現時点ではマルティン・ウーデゴールの控えという立ち位置になる可能性が高いが、長期的にはチームの司令塔となるポテンシャルを秘めており、アルテタもその将来性に惚れ込んでいるようだ。
スミス・ロウの売却が現実味を帯び、ファビオ・ビエイラも今夏の完全移籍を視野に入れる中、プレイメーカー不足という現実に直面するアーセナルにとって、エル・カンヌスのような若き創造主の獲得は急務である。
守備の屋台骨となるか!?スビメンディの加入が中盤の輪郭を描く
アーセナルが進める中盤補強は、攻撃面にとどまらない。レアル・ソシエダ所属のマルティン・スビメンディに対し、ロンドンのクラブはリリース条項5100万ポンドの支払いを決断したと報じられている。スペインの守備的MFはすでに移籍に同意しており、メディカルチェックを残すのみ。
巧みなポジショニングと的確なパス配給で知られる彼の加入により、アーセナルは中盤における守備の安定性を一気に引き上げることになる。ジョルジーニョやトーマス・パーティの将来的な退団を見据えた補強でもあり、中盤のリセットが着実に進行中であることを印象づける。
スポーツディレクターを務めるアンドレア・ベルタは、パリ・サンジェルマンのウォーレン・ザイール=エメリーやバルセロナのマルク・カサドなど、欧州中の逸材をリストアップしており、今後の動向からも目が離せない。